春の季節になると可憐な花を咲かせてくれるすみれですが、その種類は豊富です。紫の花を主に咲かせるすみれですが、紫に限らず白や黄色、ピンクなど、色とりどりです。また同じ紫色をしていても、よく観察してみるとその色の違いが見れたり、葉の形はもちろん、その大きさもさまざまです。
すみれはその花の形から「すみれ」という名前に至っていますが、では葉の形や種類はどうなのでしょうか?
すみれの葉の種類とは?
すみれの葉も花と同じようにさまざまな種類があり、多型と呼ばれています。
まず一般的に言われているのは、円形でも心臓形というもの。次に円形でも三角状のもの。
さらに三日月形であご系と言われるものがあります。いずれにしても、すみれの葉は春よりも秋の方が、大きくなるといわれています。これは春から夏にかけて、まわりの木々や草が生い茂り、すみれに光が当たらなくなってしまうからです。そこですみれも、光を浴びようと茎をのばしていこうとします。その結果、葉も大きくなるので、春より秋にみるすみれのほうが大きくなると言われています。また、夏の葉は春の葉より光を浴びることができないので、限られた光のなかでも光合成をしています。少ないなかでの活動なので、葉は薄くなり、葉の色も薄くなっています。切れ込みが大きいといわれている葉をもつ「エイザンスミレ」もその切れ込みが少ないので、違った形をしています。
細い葉や大きい葉の種類はどんなのがあるの?
細い葉の特徴があるすみれの種類としては「ナガバノスミレサイシン」があります。このすみれの花は、主に本州から九州の山地に生える多年草で、日当たりが良いところよりはうす暗いところを好む傾向にあります。また日本海岸側に見ることが多い「スミレサイシン」より、葉が細長いのが特徴の一つです。長さは約5センチ~8センチ程度で、葉の裏面を見ると若干紫色をしていますが、葉の表面ははっきりとした緑色をいています。
すみれの葉の中で大きい種類に分類されるのは間違いなく、「スミレサイシン」でしょう。
すみれの仲間でも最も大きい葉をつけると言われる「スミレサイシン」ですが、葉だけではなく花弁も2.5センチと大きい方です。ミニブーケとしても使われており、その花の色も紫だけでなく、うす紫から白色と多種な花の一つです。
【まとめ】
同じ植物でも、光を浴びようと懸命に生きるためにその姿を変えているすみれです。花だけでなく、葉や茎も観察してみると、様々な発見があり、花弁とはまた違った楽しみができるかもしれません。