スミレは春に花を咲かせる植物ですが、夏や秋になってもつぼみが付いているのを見かけたことはありませんか?

あのつぼみは咲くことが無く、閉鎖花と呼ばれているそうです。

では、一体なぜ咲かないつぼみを付けるのでしょうか?

そこで今回の記事では、スミレの閉鎖花について説明したいと思います。

スミレ 閉鎖花 時期

スミレの閉鎖花とは? 時期はいつ頃?

 

スミレは早春に花を咲かせ、匂いと蜜によって虫を誘い花粉を運ばせて受粉し結実するとされています。

しかしスミレはその後も初夏から秋頃まではつぼみを付け続けるそうです。

この頃に付けられる花は、つぼみのまま開くことのない花で、閉鎖花と呼ばれています。

閉鎖花は花の中で雄しべが雌しべについて自家受粉を行うことで結実するそうです。

 

閉鎖花は、確実に次世代の種を作ることができ、そのために費やすエネルギーも少ないため効率的だと言われています。しかし、全く同じ個体が生まれるため、遺伝子の多様性は望めず、弱体遺伝子が引き継がれてしまう可能性もあるそうです。

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そのため、スミレは第一段階として、他の植物よりも早い3月から5月に開放花を咲かせ結実、第二段階として6月~9月まで閉鎖花を付けては種を飛ばし繁殖に励み続けると言われています。

また、スミレの種は何mも弾け飛ぶそうですが、さらにエライオソームと言うアリが好む物質が付いており、アリに運んでもらうことによって生息場所から遠く離れたところへの芽生えを目指していると言われています。

 

このようにスミレは開放花→閉鎖花を咲かせ種を飛ばす→種をアリに運ばせるという何段階にも渡って生存のための繁殖を試みている賢い植物だと考えられています。

まとめ

スミレは可憐な花を咲かせ、楚々とした趣のある植物で、日本でも愛好家の多い植物です。

しかし、野草の中では競争力が弱いため、生き残るために閉鎖花など様々な戦略を立てている非常に賢い植物だと考えられています。

夏や秋にスミレを見かけたら、閉鎖花とはどういったものなのかよく観察してみると良いでしょう。