スミレは種ができると弾き飛ばすことで、多くの種を生き残らせようとしているそうです。

そして、その種には白い塊が付着しており、これによってさらに種を遠くに運ぶことができると言われています。

この白い塊とは一体どんなものなのでしょうか?

そこで今回の記事では、スミレの種についている白い塊について説明したいと思います。

すみれ 種 白い塊

すみれの種に付いている白い塊は何?

スミレは早春に花が咲き、終わった後に結実し種子を作り、繁殖を行うそうです。

しかしスミレは、さらに秋まで閉鎖花という咲かない花のつぼみを付け結実し、種子を作り続けると言われています。

こうして作られたスミレの実は、種子が未熟なうちは下を向いていますが、熟するに従い上を向き、成熟すると実が開き、3つに割れて、種を圧迫し弾き飛ばすそうです。

 

この時、弾き飛ばされるスミレの種は小さく艶があり、さらに小さな白い塊が付いているそうです。

この白い塊は種沈(しゅちん)と呼ばれるもので、アリを誘引する物質を含んでいると言われています。

種沈は種阜(しゅふ)とも呼ばれ、珠皮に由来し、種子が発生した時に、胎座に付着していたへそと呼ばれる部分にできるそうです。

スポンサードリンク

この種沈の付いた種はその後、誘引されたアリによって巣に運ばれ、アリが種沈を食べた後で巣の外に運び出され芽吹きを待つと言われています。

このように種を遠くへ運ばせるために、アリを誘引する物質を含んだ種沈は、一般的にエライオソームと呼ばれているそうです。

エライオソームは種にしっかりと付着しているため、アリはその場で食べることはせずに巣に運び込むと考えられています。

 

以上のようにスミレは、生き残っていくために何度も種子を作り出し、さらに種子にエライオソームを付着させ、おびき寄せられたアリを利用して種を遠くまで運ばせるという作戦を行っていると言われています。

まとめ

スミレは様々な場所で見られる植物ですが、アスファルトの隙間や道の隅っこなど思わぬところに咲いていることがあります。何でこんなところに?と思ったら、その場合はアリがそこまで種を運んでいったのかもしれませんね。