スミレは春に咲く開放花だけでなく、閉鎖花というつぼみを付けて秋まで繁殖活動を行うそうです。
そしてその時に作られる種子にはエライオソームという物質が付着していると言われています。
このエライオソームはスミレの繁殖に欠かせないものだと考えられているそうですが、一体どんな物質なのでしょうか?
そこで今回の記事では、スミレの種についているエライオソームについて説明したいと思います。
スミレの種に付着しているエライオソームとはどんな物質?
スミレは春に開放花を咲かせて結実し、さらに夏から秋に閉鎖花というつぼみを付けて結実するそうです。
閉鎖花はつぼみのまま咲くことはなく、自家受粉を行います。
その後スミレの実は種子を作り、種子が熟すと遠くに弾き飛ばすことで繁殖を行うと言われています。
この時弾き飛ばされた種子には、種沈と言う白い塊が付属しており、これを一般的にエライオソームと呼ぶそうです。
エライオソームは弾き飛ばされた種子をさらに遠くは運ぶために、アリをおびき寄せる成分が含まれており、これに誘われたアリは種子を巣まで運び込むそうです。
エライオソームの成分は、アリを誘引する成分としてオレイン酸、リノール酸、バルチミン酸、ステアリン酸などの脂肪酸が含まれており、その他の水溶性成分としてグルタミン酸、アラニン、ロイシンなどのアミノ酸、フルクトロース(果糖)、グルコース(ぶどう糖)、スクロース(ショ糖)などの糖が含まれているとされています。
アリはこのエライオソームを食べるために巣に運び込みますが、種子は食べないため巣の外に運び出され、スミレの種はそこで芽生えを待つそうです。
まとめ
エライオソームは、スミレが生き残りのために、アリに種子を遠くへ運ばせようと仕掛けた作戦だと考えられています。
スミレは他の植物に負けないよう、生存のための戦略を何段階にも仕掛けている、非常に賢い植物だと言えますね。
もし機会があれば、アリが種子を運ぶ様子を観察してみたいですね。