9月の敬老の日は、贈って喜ばれるプレゼントランキングでお花が上位に入ります。どんな花が人気となっているのかを見ると、リンドウの花を贈るのが定番になっているようです。
なぜ、リンドウの花が敬老の日にプレゼントされているのでしょうか?その理由と由来についてお話しします。
リンドウの花を敬老の日にプレゼントする理由は?
リンドウの花を敬老の日にプレゼントするようになった理由は、リンドウの花の色とリンドウがもともと生薬としての歴史があったことから、大まかに次の2つの理由が考えられるようです。
・リンドウの紫色が高貴な色となっていること
・古来よりリンドウの根は、生薬として重宝されていたこと
リンドウの紫色が高貴な色
日本においては、朝廷に使える臣下の位を12段階に分けた「冠位十二階(かんいじゅうにかい)」という、聖徳太子が定めた制度がありました。この位の最上位に位階を示す色が「紫」だったのです。
「冠位十二階」では、それぞれの臣下12等級の位をつけ色付きの冠を与えて、能力に見合う人材を選出し登用する能力主義の身分制度でした。つまり、この制度の中で、最上位の紫の冠を与えられるということは、とても名誉なことで身分や家柄に関わらずその人の能力が非常に高く、尊敬する人物にあたるとされていたようです。
そんなところから、尊敬の念の気持ちを込めて、敬老の日にリンドウを贈ることになったと考えられています。
リンドウの根は生薬として古来より重宝
リンドウの根には薬効があるとして、古代ギリシア・ローマ時代の最後の王といわれるゲンティウスに発見されたものといわれています。その為、リンドウの学名には「Gentiana(ゲンティアナ)」の名がついています。
現在でもリンドウは漢方薬に用いられるもので、胃腸を健やかに保つ作用があるとして古来より重宝されていました。このようなリンドウの薬効にまつわるお話から、おじいちゃんやおばあちゃんの健やかな健康と長寿を願う意味でリンドウを贈るようになったといわれています。
また、リンドウは漢字で「竜胆」と書きますが、薬としてのリンドウの根の苦みは、特別強いということから、「竜」という最上級を表す名を冠したともいわれています。
まとめ
リンドウの花言葉には、「正義」や「誠実」や「勝利」などの言葉も並びますが、この花言葉と、敬老の日にプレゼントされる理由を重ねて見ていくと、まさに敬老の日のプレゼントとして、リンドウが最適なことが納得できますよね。