幸運をもたらすという謎の生物「ケサランパサラン」のことが、昔話題になったことがあります。「ケサランパサラン」とは、空中を漂う、白くふわふわとした毛玉のような物体のことです。

 

 この「ケサランパサラン」の正体が、実はアザミの綿毛の固まりだったという説があります。ここで話題になっているアザミの綿毛の固まりは、いつごろ見かけることができるようになるのでしょうか?

アザミ 綿毛 時期 

アザミの綿毛を見ることができる時期

 アザミの花は美しいけれど素朴な形をしています。どことなく針山を連想させます。実はこの「針山」の「針」のひとつひとつが独立した花なのです。

 

 花が咲き終わるとこれら花の固まりはふわふわした綿毛の固まりに変化します。タンポポの綿毛とよく似ています。ただし、はかなげなタンポポの綿毛と比べて、アザミの綿毛はやや大きくて、本物の綿に近い感じがします。

 

 綿毛のひとつひとつには、アザミの種がついています。タンポポの種と同じようにアザミの種も、この綿毛で遠くまで風にのって旅をして、たどり着いた先で新しい芽を出するのです。

 

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 アザミの開花期は品種によってさまざまです。いちばん開花期の長いノアザミは春から秋にかけて、それ以外の多くのアザミは夏から秋にかけて花をつけます。

 そのためアザミの綿毛の固まり)は、アザミの花が咲き終わる春の終わりから秋の終わりのまでの長い期間、全国のさまざまな場所で見かけることができるはずです。

 

 アザミはトゲだらけの植物なので、アザミの群生地で綿毛の固まりの群れを見かけたとしても、そして幸運を招く「ケサランパサラン」だと思ったとしても、思わず手を伸ばしてケガしないようにして下さい。綿毛の採取は慎重に行うことを勧めます。

【まとめ】

 謎の生物「ケサランパサラン」の正体だともいわれているアザミの綿毛は、タンポポの綿毛と同じく、実った種を遠くまで飛ばす、小さなパラシュートの役割を果たしています。

 

 アザミの綿毛は、花が咲き終わって種子が十分に育ったときにはじめて見ることができます。アザミの花は夏から秋に咲くものが大半ですが、いちばん身近で見かけるノアザミや園芸用のドイツアザミは春から花をつけるので、綿毛もそれに応じ、春の終わりから秋の終わり近くまでの長期間、注意を払ってさえいれば、さまざまな場所で見つけることができるかもしれません。