お気に入りのアザミの株を増やそうとする場合、株分けの他に、種子を自家採取して種まきする方法があります。

 

 ここではアザミの種子の収穫時期を、種を自家採取する場合の注意事項と共に紹介することにします。

 

 アザミは種類が多く、日本国内だけでも100種類以上のアザミが生えているのですが、今回は日本国内でいちばんありふれた自生種であるノアザミと、ノアザミを品種改良してつくられた園芸種のドイツアザミ(ハナアザミ)を増やすことを前提にして、話を進めていきます。

アザミ 種子 時期

 アザミの種子の採取する時期と方法

 アザミの種子を採取するためには、開花時期がいつごろになるかを知る必要があります。

 しかしノアザミは開花時期が春(4月)から秋(10月)までの長期にわたります。

 そのため種の収穫時期も、春の終わりごろから秋の終わりごろまでというあいまいな回答しかできません。

 種の収穫時期をもう少し正確に特定するために、アザミの種まきの適期から、開花時期と種の収穫時期を計算することにします。

 

 関東以西の比較的温暖な地域の場合、秋(9月から10月)が種まきの適期です。このような地域では、アザミは翌年の春(4月)から花を咲かせはじめます。種子の収穫は、梅雨前(5月)ごろから可能です。

 

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 一方寒冷な地域や高地の場合、種まきの適期は春(2月から3月)で、夏(8月)になると花を咲かせます。種の収穫は9月ごろから可能になります。

 

 実際に種子を採る際は、花が咲く前にあらかじめ袋をかけておいて、花が咲いたら袋を外して人工受粉をし、種子ができて採取可能になるまで再び袋をかけるという手間のかかる作業が必要になります。アザミは交雑しやすく、簡単に雑種が生まれるからです。

 

 このことは、種をとるためにアザミを栽培するのなら、袋がけの手間が必要であるということの他に、残念ながらアザミの花を楽しむことができない、ということも意味しています。

【まとめ】

 アザミの種子の適切な採取時期と、収穫の際の注意点について説明をしてみました。

 

 この説明より、アザミの花を楽しみながら自家播種のための種を収穫するためには、ちょっとした問題を解決しなければならないことがわかります。

 種子を採取する株と花を楽しむ株を分けることが、最も単純な解決方法になるでしょう。

 

 もうひとつの注意点として、収穫した種子は乾燥に弱いこと、古くなると発芽率が低下することも覚えておく必要があります。種を自家採種したのなら、そのまま保存せず、できるだけ早い時期に次の種まきを行って、種子を使い切ってしまうことを勧めます。