古くから、アザミの不思議な綿毛は人々の目を驚かせたり、和ませたりしてきました。ケサランパサランという謎の存在の正体がこのアザミだという話も恐らく有名なことでしょう。しかしこの綿毛、どれくらいの大きさになるのでしょうか?その特徴と併せて紹介していきます。

アザミ 綿毛 ケサランパサラン

ケサランパサランことアザミの綿毛の特徴は?

一説にはケサランパサランの正体ではないか?と言われるのは、アザミの冠毛が集まって固まったものです。冠毛とは、萼(がく)が変形したもので、果実が熟した後、乾燥して放射線状に開いて綿のようになります。これに風を受けることで遠くまで種子を飛ばすことが出来るのです。冠毛といえばタンポポについた綿毛が良く知られていますが、タンポポの場合は種子から伸びた果嘴(かし)の先に冠毛が付いているのに対し、アザミの冠毛には果嘴はなく、種子から直接冠毛が伸びています。また、アザミの冠毛は細かな枝毛を出していて繊細にで、ものによっては光の当たり具合で淡く光って見えるほどきれいなものもあります。因みに、このような冠毛の構造は「アザミ型」と呼ばれるそうです。

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アザミの綿毛、大きさはどれくらい?

品種にもよりますが、冠毛の長さはだいたい12mmから16mmほどあり、広がった冠毛の全体の大きさはだいたい直径5cmほどあります。特に花が大きいと言われているのは直径6cmと子供の拳ほどの大きさの花が咲く種類であるテマリフジアザミですが、こちらは冠毛の長さが25mmから30mmと言いますから、恐らくとても大きな綿毛が出来ることになりますね。

【まとめ】

元々アザミは山野で見られる植物ですが、実は近年では都会や荒れ地などでもアメリカオニアザミという種類のアザミがあちこちで目撃されており、大きな綿毛が飛んできて「もしかしてケサランパサラン?!」と思って周辺を探してみたらこのアメリカオオアザミが種を飛ばしていた、というようなこともよくあるようです。この種類は元々ヨーロッパ原産で、和名にアメリカとあるのは北アメリカからの輸入作物に混入され持ち込まれた経緯がある外来種で、その鋭いとげから草食動物も食べようとせず、また元々繁殖力の非常に高い「要注意外来生物」に指定されている植物でもあります。ぽわぽわとした毛が可愛らしい綿毛ですが、この種類は保管や所持、栽培についても規制されています。特に実害につながりやすいのでもし自分の庭で見つけたときは早めの駆除をお勧めします。その際、アメリカオオアザミは手袋を貫通するほど鋭いトゲを持ち、その高さも50cmから1.5mにもなるものもありますので、十分気を付けて行いましょう。