冬になると、花屋の店先や家々の庭、玄関先にピンクや紫、白など色とりどりの鉢植えのシクラメンが並んでいるのを見かけます。最近では、鉢植えの下に受け皿がついたタイプを多く見ますが、この鉢のことを底面給水鉢というそうです。その仕組みや肥料の与え方、管理はどのようになっているのでしょう。

シクラメンを底面給水の鉢で育てる環境。肥料のやり方について

シクラメン 底面給水 肥料

底面給水の仕組みは、植物に水をあげるとき花や葉の出ている表土からではなく、底面から水を染み込ませて水分補給をさせています。

シクラメンは球根に水がかかるのを嫌う植物なので、受け皿に水を貯め、布を使用して給水するのが一般的です。

土の中の空気の入れ替えをする為に軽い土を使用し、受け皿には水を一杯にせず、適度に入れておきます。受け皿は水の水位がひと目でわかる透明なものを選ぶと良いでしょう。

シクラメンは冬の花ですが、育てる環境として、適温の10℃以上を保っていれば次々と花を咲かせます。

太陽を好むので、10℃~20℃を保ち日当たりの良い場所での管理が一番ですが、5℃以下の環境下でも、開花がゆっくり進むため一度咲いた花は長持ちします。

夏の冷房の風、冬なら戸外での冷たい風には直接当らない様に注意が必要です。

花を長く咲かせておくには放置せず、咲き終わったらすぐ花茎ごと取り除いきましょう。萎れたままの状態は、カビや病原菌に侵される恐れがあります。

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また、種をすぐ作ってしまう花なので、そちらに栄養を取られないためにも、こまめに処理して下さい。花茎はしっかりしているので、手で抜き取ってしまいましょう。

開花中の追肥(ついひ)はあまり与え過ぎず、液体肥料であれば約1000倍に薄めて2週間に1回、化成肥料(緩効性肥料)なら1ヶ月~2ヶ月に1回で1粒、2粒くらいを与えましょう。

どちらの肥料でも直に塊茎(かいけい)に触れないよう注意して下さい。

シクラメンの底面給水鉢での水やりの仕方

シクラメンは葉や塊茎に直接水をかけてしまうと株が脆くなり、腐ったりする恐れがあります。底面給水の鉢でなら鉢底から水を補給できるため、失敗のリスクを回避できます。

鉢底には布が取り付けてあり、土の乾燥状態を見ながら必要な分だけ水分補給してくれます。ただし、植物は、通常は土の上から水やりをすることで、空気の入れ替えや、老廃物を取り除いています。

底面給水鉢には、これが出来ません。なので、1ヶ月に1回は鉢の上から水やりをしましょう。花や葉に水がかからない様に、先端の細長い水差しなどを使用して土へ直接、鉢底から流れ出すくらいまでたっぷりと与えましょう。

まとめ

シクラメンの様に肥料や水やりなどの際に、直接触れてはいけない植物には、底面給水できる鉢植えは大変便利なものです。

しかし、便利さに頼りきって日々の観察やお手入れを疎かにすれば、花はたちまち枯れてしまいます。植物に優しい環境のもとで大事に育てていくことが大切ですね。