花の名前の付き方は、花によって違いがありますが、その名前の付き方で、その花の歴史や生態までも見ることができる事もあります。特に日本においては、その花の和名を見ると、その花の特徴まで読みとれる事が多いようです。

漢字がその花の特徴を表す事が多いからです。そういう意味では、カタバミも同じ事が言えるでしょう。日本に自生するカタバミは、小さい黄色い花を咲かせるどこにでも生えている植物ですが、なぜカタバミとう名が付いたのでしょう。

漢字ではどのようにかくのでしょう。カタバミの歴史も合わせてご説明いたします。

カタバミの名前の由来

カタバミ 名前 由来

カタバミはカタバミ科カタバミ属の植物で、世界に広く分布しています。3つの葉はハート型をしているのが特徴ですが、そのハート型の葉の形が名前の由来ではありません。

カタバミの由来は葉には関係ありますが、その由来は、カタバミの葉が夜になると葉を閉じる事から、その様子が、半分食べられたようだと言うことで、『片喰』と言われたからだとされています。

同じ理由から『傍食』とも言います。しかし、カタバミの和名にはもう一つあり、『酢漿草』とも書きます。それは、果実をかむと酸っぱい味がするからとも言われています。

これはカタバミがシュウ酸を多く含むからでしょう。属名のOxalis(オキザリス)はギリシャ語のoxys(酸っぱい)から名付けられています。

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日本の地方名にも、「しょっぱぐさ」などもあり、昔から知られていたことがわかります。学名は、Oxalis corniculataと言います。Corniculateは「つののある」という意味があります。

歴史的に見ると、日本では、古くは万葉集や枕草子にも名前があらわれる程、日本人になじみの深い植物と言えます。

まとめ

カタバミは日本にたくさん分布していますが、江戸時代以降に鑑賞用としてアメリカから入ってきた外来種がたくさんあります。それが恐ろしい繁殖能力で日本各地で野生化し、帰化種となっています。

カタバミの仲間である、イモカタバミは和名の他に園芸用として出される時は、学名を使って「オキザリス・アルティクタラ」とも呼ばれます。カタバミという名前は、野草に使用され、学名のオキザリスという名前を花のきれいな園芸用に使用する傾向があるようです。

「しょっぱぐさ」と明記するよりは、「オキザリス」と明記する方が、何となく売れそうですね。