ちょっと前に「買ってはいけない」という、商品の安全性に関するコラムがブームになりました。実は、そのタイトルをまねた『絶対に植えてはいけない』、悪魔のような繁殖力を持つ植物のリストが存在します。そしてそのリストの上位にランクされるのが、カタバミです。

道ばたで目に付く理由でもある、あの可愛らしい黄色い花の下では、地表を這うように根をどんどんのばし、地面の中の球根の下には、大根のような根が真下にがんがん伸びていきます。

そんな植えてはいけないとさえ言われる繁殖力を持つカタバミですが、もう一つ最終兵器をもっています。

それが自らの種を残す方法にあります。その驚きの方法をご紹介します。

カタバミの種がはじける理由

カタバミ 種 はじける

カタバミの最終兵器とは、ロケットのような形の実です。その実は何か振動を感じると、そのロケットから種がびっくりするような勢いで飛び出す仕掛けになっているのです。

その原理は、実の中の細胞の急激な膨圧の変化を利用したもので、種の飛行距離は1m以上にも及びます。

植物の多くは種をとばす為にたんぽぽのように羽で風を使ってとばそうとしたり、雨水を利用したり、動物に食べてもらい、排泄物として種がでる事で運んでもらったりします。

このようにどうしても他力本願なところは否めないのですが、カタバミは他力を必要としない方法、いわば最も確実な方法を自らあみ出したのです。

それが、細胞の急激な膨圧の変化を利用した、まるでピストルから弾が飛び出るように発射される種の散布法なのです。繁殖が出来ているいわば親の周囲はその植物にとってもいい環境と言えます。

動物に運んでもらっても、そこが繁殖に適したところとはかぎりません。ましてや風や水を利用している場合なおさらです。

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一番の場所は、自分が繁殖した周辺なのです。そして自分からちょっとだけ離れたところをねらって、種を放出するのは、確実な繁殖法と言えるでしょう。

カタバミが種をはじくようになった理由は、より確実に、より環境のよい場所に芽を出す為に進化をしてきたからに他なりません。

もう一つ、実はカタバミの種には粘着力があり、飛び出した種が、動物や私たち人まで利用付着した場合より遠くまで運ばれる事もあります。

人までも運び屋にしてしまうほどのどん欲さなのです。

まとめ

カタバミが増えてしまった庭を元に戻す事、完全に駆除は不可能と言われます。土を何メーターも掘り返してそっくり変えるしか手はないとすら言われます。育てる場合は、厳重な管理が必要となります。

ちょっと油断してしまうと、ロケットから放出された種は、1mも離れたところから芽を出します。カタバミの繁殖力のすごさにあなたは頭を抱える事になるでしょう。