日本で春に一般的によく見られる赤紫色のアザミはノアザミです。そのノアザミと花がよく似ているのがアメリカオニアザミです。色や見た目はほとんど変わりませんが、違いはどこなのでしょうか。アメリカオニアザミの特徴と共にノアザミとの違いも紹介します。

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アメリカオニアザミの特徴とノアザミとの違い

日本の野山に自生しているノアザミは日本固有種のアザミで春に咲きます。それに対しアメリカオニアザミは名前からみるとアメリカ原産と思いがちですが、実はヨーロッパ原産の外来種で夏に咲く花です。アメリカから輸入された牧草などに紛れ込んで日本に定着したことからそういった名前になったようです。現在は北海道で多く見られ、本州、四国にも分布しています。その繁殖力の強さから日本では要注意外来生物に指定されています。世界遺産である知床国立公園など自然の多い地域に侵入しその数を増やしており、在来種のアザミや他の生物に悪影響を与えています。その地域のシカや牛などの家畜はアメリカオニアザミを食べないので牧草地では害草として知られており、食べられることがないという理由からも数を減らされることなく増え続けています。

どちらも茎や葉にトゲがありますが、アメリカオニアザミのトゲはかなり鋭く、数も多いです。その違いは軍手を着けていても貫通して指に刺さるほどで、駆除などで触れる際には注意が必要です。

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アメリカオニアザミは茎の先端に複数の花頭をつけ、横向きか上向きに花を咲かせます。ノアザミは茎の先端に多少枝を分けてひとつだけ花頭をつけ、上向きに花を咲かせます。このように花の咲き方に違いがあります。また、花の根元の総苞もだいぶ違っており、アメリカオニアザミは総苞片のトゲが長く鋭くなっていて総苞自体も大きいです。それに比べるとノアザミは総苞片が多少トゲトゲしている程度で、特徴的な粘りがあります。

【まとめ】

アメリカオニアザミはヨーロッパ原産の外来種で要注意外来生物に指定されている危険なアザミです。花のよく似たノアザミと比べてもその違いは一目瞭然で、軍手を貫くほどの鋭く数の多いトゲが特徴的です。花の咲く向きなどにも違いがありますが、何より総苞が大きくトゲの玉のようなので見分けるのも容易です。繁殖力が強く分布地も広がっているので、野山を歩く際はアメリカオニアザミに刺さらないように注意が必要かもしれません。