月下美人を実際にご覧になったことはありますか?

幾重に重なった真っ白な花びらがそれは美しい花です。

夜にだけ咲く夜開性の花で、開花した花は一晩でしぼんでしまいます。

その月下美人によく似た花でクジャクサボテンがあります。

クジャクサボテンは花姿が月下美人によく似ているものの、色の種類が多様で昼間も咲き続けます。

大雑把に考えて、月下美人は白色の花で夜だけ咲く、クジャクサボテンは有色で昼間も咲く、と覚えている方も多いのではないでしょうか。

月下美人 花 色

月下美人とクジャクサボテンの違いは? 花の色で見分けるの?

月下美人とクジャクサボテンはともに森林性サボテンの仲間ですが、実際はそれほど密接な関係はありません。

進化の過程でたまたま形態が同じようになったと考えられています。

両者の性質の違いは大きく2つで、開花時間と新芽の形状です。

どちらも夕方から夜にかけて咲き始めますが、月下美人は朝までにはしぼんでしまう一夜花、クジャクサボテンは日中も咲き続ける昼夜花です。

 

また、種まき後にでる新芽は、クジャクサボテンは初めは細い毛柱状で生長し、やがてコンブのような平たい葉(茎節)がでてきます。

月下美人は初めから平たい葉がでてきます。

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花の色は、月下美人は白。

夏の夜に浮かび上がる大輪の花は圧巻です。

 

一方でクジャクサボテンは1色咲きが少なく、ほとんどが複色です。

クジャクサボテンは原種のほかに森林性のサボテンとの間で交配が繰り返され1000種を超える園芸品種が作られています。

日本でも毎年多くの品種が誕生し、ピンク、黄色、オレンジ、紫など、八重咲のものやグラデーションになっているものなど多彩です。

【まとめ】

月下美人(学名 エピフィルム オキシペタルム)の原種は純白の大輪を咲かせる名花中の名花です。

その他にも月下美人の仲間の原種は20種類くらいがよく知られており、新種が見つかったり交配がすすんだりと、花の世界も多様化しています。

白眉孔雀のピンクの花が自然交雑で開花したのをきっかけに、月下美人と交配すれば有色の月下美人を咲かせることができます。

クジャクサボテンのように交配をすすめ多種多様な花をつくりだして育てるのもガーデニングの醍醐味一つではありますが、原種そのままの姿も十分に美しく、どちらも共存させて楽しみたいものです。