アザミはトゲだらけの植物ですが、葉は若芽などと同様に、食用にすることが可能です。
ただしアザミの葉を食べることができるのは、花が咲く前の株のやわらかい若い葉に限られます。
株が育って花が開いてしまったら、葉が固くなったり、葉そのものが枯れてしまったりするので、で食べることはできなくなります。
アザミの葉を食用にするには
アザミの若葉は、山菜としてアクの強い方ではありません。
しかしアク抜きのための下ゆでは必要です。生のアザミの若葉を長めにゆでると、茶色いアクがゆで汁に溶け出して行きます。また下ゆですることで、チクチクと痛いアザミのトゲも、食べても気にならないほど十分に柔らかくなります。
その後はおひたしやあえ物や味噌汁の具など、普通の青菜と全く同じ感覚で、いろいろな料理に使えば良いのです。ゆでたアザミの葉を細かく切って、さまざまな具材と共に油炒めにするのも美味しそうです。
生のままのアザミの若葉を天ぷらにするのも、評判の良い食べ方のひとつです。
アザミの若葉には、嫌なえぐ味はありません。ほんの少し苦味があるとはいえ、アザミの若葉は山菜の中でも比較的食べやすい素材です。
おひたしは甘みとうま味が強く、玉露を食べているような感じがします。アザミの若葉の天ぷらは、抹茶のような風味が感じられます。
化学的な分析は行っていないので断定することはできませんが、もしかしたら、アザミの若葉には、お茶に似た風味成分が含まれているのかもしれません。
アザミの葉は食用になるだけではありません。「薊(けい)」あるいは「大薊(だいけい)」と呼ばれる漢方の生薬の材料にもなるのです。
開花期のアザミの根と葉を採取し、よく洗い細かく刻んだものを天日で乾燥すると、薊ができます。薊は特に止血効果が高いといわれています。それだけでなく、薊は子宮筋腫や月経不順、健胃、利尿、神経痛、止血、湿疹、かぶれ、解毒といったさまざまな症状に効果が期待できます。
アザミ全体を乾燥させて作るアザミ茶にも、薊と同じような効能が期待できます。
【まとめ】
アザミの若葉は食用にできます。下ゆでするだけでいろいろな料理に使うことが可能になります。そのまま天ぷらにしても美味しいです。
アザミの葉は漢方薬にも使われます。薬草茶として飲むことも可能です。
採集には、鎌か鋭いナイフが必要です。痛いトゲを防ぐため、軍手の着用が不可欠です。