菊は秋に咲く花で、日本では昔から親しまれてきました。菊人形や大菊仕立てなど様々な仕立て方があります。仕立ての中に懸崖作りと呼ばれるものがあります。懸崖とは、切り立ったがけの事で、切り立ったがけから菊が垂れ下がるように仕立てたものを懸崖作りといいます。

今回は懸崖菊の作り方について紹介します。

懸崖菊の作り方は?

菊 懸崖 作り方

菊の懸崖作りを行う場合、新芽から育てた時は、菊の高さが20cm位になった時に最初の摘芯を行います。

菊の場合、葉の付根から脇芽がでてきますから、10枚位の葉がついていると、脇芽を少なくとも8本くらい確保できます。また、芽は葉の方向へ伸びますのでそれも考慮して摘芯してください。

菊の成長方向を促す針金つけは朝や夕方は枝が折れやすいので避け日中に行います。作業する日は、水やりをしないでください。

曲げつけは、つぼみが開きかけた頃から、少し花が開いて色が付き始めた頃に行います。この時点より早く曲げつけを行うと花首が上を向いてしまい、懸崖状態になった時に、正面から花見えなくなってしまいます。逆に遅く行うと花が下を向くので、見栄えが悪くなります。

曲げつけ前の準備として、十分薬剤を散布しておくことが必要です。準備の段階で葉の裏のアブラムシなどをよく駆除しておかないと、開花した後に花と花弁の間に入る事もあり、花持ちが悪くなります。

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曲げつけは茎の主幹部を無理して曲げ倒すので、茎が折れる事が多いので、曲げつけを行う日程が決めたら、その前日から水をあげるのは控えた方がよいでしょう。

注意点として、花が咲く前には懸崖状しておかないとうまく仕上がりません。仕上がりの良否はこの段階でもほとんど決まるといっても過言ではありません。

9月上旬~中旬の間で最後の芽摘みを行います。早すぎると芽先が伸びすぎ、花数が多くなり、形が乱れます。

逆に遅いと形は整いますが、花数が少なくなり、寂しくなってしまいます。9月中旬以降に摘むと、気温が15℃以下になる時もあり、花芽が出ず花が咲かなくなることもあります。

管理の重要な点として、小鉢なので土が乾きやすくなっています。また根詰まりがおきやすく、水が通りにくくなることがありますので注意が必要です。

水やりは朝にゆっくり少しずつ行うか、渇きがひどい場合は夕方に葉水をかけるか、少しだけ水やりするかにして下さい。

まとめ

菊の懸崖作りには、草丈1.5m以上のものは大型、1~1.5mを中型、1m以下を小型といっていますが、小型の懸崖は初心者でも作りやすいといわれています。菊を栽培してきた方は、ぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。