日本を代表する樹木である椿は、万葉集にも歌われ、古来より日本人に親しまれてきました。椿は、厚い丈夫な葉を持つ、厚葉木(あつばき)からその名前が由来したと言われています。

花の色は白やピンク、赤などを基本としていますが、現在では品種改良されて複数の品種や種類があり、色もそれぞれに特徴があります。長崎県五島列島で偶然発見された原種のヤブツバキの一種、玉之浦は、その珍しさゆえ人気となりました。

しかしたくさんの人に枝を切られて、原木は枯れてなくなってしまいました。その子孫である現在の品種、玉之浦についてご紹介します。

 

椿の品種、玉之浦の育て方

椿 玉之浦 育て方 開花時期

玉之浦の花びらは一重中輪で、赤色に白く縁取りされているのが特徴です。その珍しさから日本国内のみならず、海外でも高い人気を得ています。昭和22年に五島列島で偶然発見されたことから、幻の椿とも言われています。

玉之浦は突然変異による品種と言われており、挿し木や接ぎ木によってしか、育たないと言われています。栽培環境によっては赤い花に戻ってしまうことがあるからです。

プランターに清潔な土を用意しておき、春に伸びた枝から穂木をとり、水やりをした後に、土に挿します。穂木の切り口に植物成長調整剤をつけるといいでしょう。直射日光は避け、日当たり、風通しや水はけの良い場所に置きましょう。日陰でも、なるべく明るい場所を選び、強い風に当たると蕾が落下してしまうので、気をつけてください。

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椿の品種、玉之浦の開花時期

玉之浦の開花時期は、春の訪れと共にやってきます。1月から4月頃ですが、その年の気候などにより早く咲いたり、咲くまでに時間がかかることもあります。9月から11月と、3月から4月が植え付けに適していると言われています。赤地に白い縁取りの対比が見事です。

 

まとめ

五島列島の名花である玉之浦。赤地に白覆輪の一重という珍しさから、たくさんの人が枝を切り、母木は枯れてしまい、今はもうありません。しかしその子孫は現在も世界中で栽培され、愛され続けています。

栽培環境によって赤い花に戻ってしまうため、挿し木や接ぎ木でしか育たないと言われています。私たちにできることは、乱獲した歴史をくり返さず、親木やその苗木を育て、受け継いで行くことが大切です。珍しい玉之浦の開花をこれからも見るために。