お花屋さんで「ピンク色のカサブランカはありますか?」と聞いたら、不思議そうな顔をされてしまった。
そして必ずといっていいほど「カサブランカは白ならあります」と返された。という経験、ありませんか?
あれ?と戸惑ってしまいますよね。だって私たちは「ピンク色のカサブランカ」があると思っているのですから。
でも、実は違うんです。あのピンク色のカサブランカ、カサブランカのようでいてカサブランカではないんですよ!
そうは言われても、何が何だかさっぱり分からないですよね。それではご説明していきましょう。
ピンク色のカサブランカ?名前があるの?
通称、「ピンクカサブランカ」と言われる花。実はカサブランカとは違う品種なんです。
しかもその数もたくさんあります。
例えば「マレロ」。
カサブランカと同様、「オリエンタル・ハイブリット」という品種で、大輪の花が咲きます。つまりはピンク版カサブランカ。
匂いはさほど強くなく、ふんわりと優しく香ります。基本的には育て方などもカサブランカと同じなのですが、色が違うだけで、
まったく違う種類となるのです。
また他には「プリンセスカサブランカ(ピンクパレス)」という品種もあります。
濃いピンク色が目立ちグラデーションはあまり無いのが特徴ですが、形などは違いがないです。
ですがこの「プリンセスカサブランカ(ピンクパレス)」は、「オリエンタル・ハイブリット」ではなく、「OTハイブリット」という品種です。
パッと見はカサブランカなのですが、厳密にはまったく違うものに分類されるのです。
ほかにもピンク色以外の色のついたカサブランカも存在しています。
ピンクカサブランカ、というのはピンク色のカサブランカ様の花の総称とみてもいいでしょう。
ここで注意してほしいのは、生粋のカサブランカは「白」しかないといことです。
「オリエンタル・ハイブリット」という括りの中に、「オリエンタル・リリー」という、カサブランカや、今紹介したマレロなどのユリ科の花が含まれています。
集約するならば、「白のカサブランカ」と「ピンクや色のついたカサブランカ」はまったくの別の品種ということ。
その色付きのユリは「ソルボンヌ」「ルレーブ」「マルコポーロ」「アクティバ」などなど、様々な品種ということです。
カサブランカのような見た目だけど、色がついてる…というのは違うユリなんですよ。
それはお花屋さんも訂正しますよね…。なんだかややこしいですけれど。
もちろん色付きのユリには、オレンジや紫などの色も存在しており、それぞれ名前もついているので、気になるかたは調べてみてください!
【まとめ】
どうしてカサブランカの名前がつく花が多数存在しているのでしょう。それには知名度の問題が関係してきます。
元々カサブランカという花は高価なものです。そして知名度・人気ともに高い花なので、それにあやかろうと、
カサブランカに似たユリ科の花達に、名前を借りて名付けた…という理由があるようです。
やっぱり「色のついたカサブランカって何だろう」と、興味本位で手に取る人もいるはずですからね。
一種の戦法みたいなものでしょう。結局違う認知の仕方をされている点が否めませんけれどね。なかなかに奥が深いですね。
それはそれとして、どのユリ科の花もとってもきれいですので、育ててみたり買ったり、楽しんでみてください。
そして興味があれば、もっと掘り下げて「オリエンタル・ハイブリット」について調べてみるのも、いいかもしれませんね。